犬が血尿したときに考えられる病気

尿路結石症

トイレに行く頻度が多い・おしっこの量が少ないようなら、すぐに病院で治療を!

犬の血尿の原因で一番多いのがこれかもしれません。人間にも多いといわれている病気です。

腎臓で出来てしまった結石が、おしっこの通り道である尿路で詰まってしまい、結石が尿路を傷つけているために出血しています。オスによく見られる症状です。

この場合、放置しておくと傷からの感染症だけでなく、おしっこが出なくなってしまうことで、「尿毒症」という死に至る恐ろしい症状を引き起こします。

結石を出来にくくするためには、生活習慣や食べ物で予防を心がけることが大切です。フードを結石が出来にくいものに変えたり、結石を詰まりにくくするために毎日のお散歩を習慣づけましょう。

結石が詰まると犬はおしっこをしているつもりなのに、尿が出なくなりますので、お散歩の際に注意深く見てあげましょう。

犬のおしっこが出ない?尿路結石(尿石症)の原因と治療

膀胱炎

臭の強い濃い黄色や赤茶っぽい色の尿、トイレの回数や水を飲む回数が多い場合は、膀胱炎の疑いあり

膀胱炎も血尿の症状が出やすい病気です。

膀胱炎を起こすと、普段のきれいな黄色い尿ではなく、濃い黄色や赤茶っぽい色になってきたら、血が混じっている可能性があります。臭いも少し臭くなります。メスによく見られる症状です。

おしっこの溜まる場所である膀胱に細菌が入り炎症を起こします。放置しておくと腎臓などにも影響が出て、重症化する場合も。

膀胱炎は人間にも多い病気で、排尿時の痛みや残尿感から、何度も排尿しようとトイレに頻繁に行ったり、痛みや不快感から陰部をなめる様になります。

また、排尿を何度も行うことから、水をよく飲むようになりますので、様子を見て症状が続くようであれば動物病院を受診しましょう。

再発を繰り返す犬の膀胱炎の対処法

前立腺炎

オスの老犬に発症しやすい病気。放置するとガンになることもあるので、早めの処置を!

おしっこの通り道である尿管内に細菌が入り、前立腺部分で炎症を起こし、血尿をする場合があります。

前立腺は尿管と膀胱の間にある生殖機能を持つ部分で、オスのみに見られる症状です。オスはメスより尿管が長いので、膀胱の手前である前立腺部分で炎症を起こします。

特に老犬になり、この前立腺部分の機能が衰えてくると肥大化し、排尿しにくくなるといわれており、前立腺部分で炎症を起こす確率も上がるといわれています。

放置すると膀胱炎を併発したり、前立腺炎から前立腺腫瘍となる可能性もあり、がんになることもあります。

肝硬変などの肝臓の不調

血尿ではないが尿が赤くなることがあります。

肝硬変など肝臓の状態が悪化していると尿中のビリルビンが増えて尿が赤みがかって見えることがあります。これが血尿に見えるわけです。
ちなみに、ビリルビンとは役目を終えた赤血球が壊れた際にできる成分のこと、肝機能の低下で増えます。

放置すると肝硬変や肝臓がんを発症する可能性があるので、血尿じゃないからと安心せずに早めに獣医師に診てもらってください。

肝臓は体の中で様々な毒素を解毒している臓器です。肝臓の不調は他の病気への合併症にもつながりますので、老犬の場合はとくにしっかりケアをしてあげましょう。

最近では犬用の肝臓の働きを高めてくれるサプリメントも発売されていますので、そういったものを利用するのも良いかもしれません。肝臓の機能を高めるサミー(SAMe)を含んだ物がオススメです。

病気の重症化による血尿

元気がない、高熱、下痢、嘔吐など病状がよくない場合、尿に血が混ざることもあります。

さまざまな病気になる可能性がある犬ですが、それぞれの病気が重症化すると血尿になることが多くなります。

高熱や脱水症状、息切れやふらつき、嘔吐や下痢などと合わせて血尿が出ている場合は、かなり深刻な重症状態といえます。

重症化して血尿になる原因として考えられるのが、腎臓の働きが悪くなっていることが考えられ、腎機能が低下するとさらなる合併症が起こる可能性が高くなり、犬の命に関わります。普段元気にしていても、犬は言葉が話せませんので、急性症状を引き起こし、突然重症化する場合もありますので、ぐったりしている、えさを食べないなどの場合は、経過を見守るようにしましょう。

女の子の場合の生理のとき

茶色っぽい血が混ざっていたら、生理の血かも。周期を確認してもましょう。

メスの犬の場合で、避妊手術を行っていない場合は、半年に1回程度、数日間生理があります。犬の場合は猫と違ってあまり自分でなめて処理しませんので、周囲を血液で汚してしまう場合があります。その血液が尿にまじる場合もあります。

色的にはそんなに鮮やかな赤ではなく、少し茶色っぽいものが尿に混じったような感じです。

たまねぎ中毒をおこした場合

盗み食いしていませんか?フラフラと貧血を起こしたり、痙攣したら中毒の恐れ有り!

タマネギや長ネギ、ニンニク、ニラなどは、それらに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分が、血液中の赤血球を壊し、中毒症状を引き起こしますので、犬に食べさせてはいけません。

摂取量的には、犬の体重1キロあたり、20gを超えると危険といわれます。

中毒症状として、急性の貧血や血尿などを引き起こす場合があります。

たまねぎ類を加熱調理しても毒性は消えませんので、人間の食べる料理を犬が盗み食いしないように注意しましょう。

ハンバーグやすき焼き、牛丼などの肉の匂いが強い料理は危険ですので、目を離した隙に食べられないように注意しましょう。

犬の血尿まとめ

血尿の場合、尿路結石や膀胱炎のケースが多いです。痛みを伴うだけでなく、死んでしまうこともあるので、早急に動物病院へいきましょう。

普段からトイレシートを片付ける時や散歩時に、愛犬のおしっこの様子・色・臭いをチェックしましょう。

  • 血尿、トイレの回数が多いのに少量しかでない:尿路結石(オスに多い)
  • 血尿、トイレの回数が多い、水を多く飲む:膀胱炎(メスに多い)

この記事を書いた人

OSUWARI編集部