摂取水分が少なく便が硬くなっている
ウエットフードを与えたり、こまめに水分を摂取させる工夫をしましょう。
犬は常時の体温が少し高いので、水分の摂取量が少なくなると便が硬くなってしまい、排便がしづらくなるときがあります。便が肛門付近まで来ていても、硬い便が排泄出来ずに、肛門を床や敷物などにこすり付ける場合があり、便秘のサインでもあります。
普段の生活の中で、便が硬くならないように、飲み水が切れないように工夫し、犬が自由に飲みたいときに水が飲めるようにしておきましょう。また、夏場は日中の気温があまり高くなくても、朝から晩まで長時間気温が下がらないようなときは、適切な水分を取れないと便秘だけでなく、熱中症を起こす場合もあります。
硬い便で便秘にならないようにするためには、こまめに水分を取り、きちんと毎日排便出来るようにしましょう。
運動が少なく腸が動いていない
運動量の少ないのが、原因のことも。毎日散歩をさせて、適度な運動をさせましょう。
犬の便秘で考えられる原因に、運動不足もあります。
犬種にもよりますが、犬の腸は1.5~2センチほどの太さしかないため、食物繊維の少ない食事を摂っていると腸内に便が溜まりやすくなり、散歩や遊びなどによる腸の運動が減ると、溜まった便が出なくなり便秘になってしまいます。
また便が長く溜まると、腸内の善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまい、腸炎を起こす原因にもなります。
腸内に便が溜まりにくいように食物繊維を上手に食事に取り入れ、毎日適度な運動を欠かさないようにして、腸をしっかりと動かすようにしましょう。
腸炎を起こしている
犬の下腹が膨らんでいたら、ガスがたまり炎症を起こしている可能性あり。
腸炎を起こすと腸壁が腫れて分厚くなってしまうことがあり、1.5~2センチほどの太さしかない犬の細い腸が、さらに細くなってしまうことから、便が通らなくなってしまい便秘を起こすことがあります。
細くなった腸に便が溜まるだけでなく、その溜まった便などからガスが発生し、細い腸がさらに詰まったような状態になってしまいます。
犬の下腹あたりがパンパンに膨らんでいるような症状の場合は、腸炎を起こしているサインです。
腸の炎症を抑え、ガスの発生を抑えながら便秘を解消させる治療が必要になり、重症化すると数日間入院しての治療になる場合があります。重症化しないためにも、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
腸閉塞を起こしている
誤飲によって便秘状態になっていることも。よく誤飲をするわんちゃんは、病院で診察を。
犬がおもちゃや異物、消化の悪いものを食べてしまうと、腸内に詰まり、腸閉塞を起こして便秘状態になってしまいます。
腸が詰まってしまい、便が全く通らなくなるために、胃の動きも悪くなることから、食事をしないなどの症状が出ることがあります。
腸閉塞となってしまった場合には、全身麻酔を行い開腹手術するしか治す方法がありません。
プラスティック、金属、化学繊維、ゴム類などは胃では消化出来ませんので、胃の出口を通ったとしても、細い腸で詰まってしまいます。腸閉塞を起こさないようにするためにも、室内に食べてはいけない物はないか、また、犬のおもちゃも飼い主が見ていない場所で与えっぱなしになっていないかなど、家族で注意するようにしましょう。
犬用のおもちゃは飲み込んでも排出されやすい素材を考慮していますが、犬用でないおもちゃは、スポンジやナイロン綿などを使用しているものが多く、飲み込んでしまうと腸内で膨らんでしまい、排出されにくい場合があり危険です。
また小型犬など、消化機能が弱い犬種に大きなサイズのおやつや消化しにくい素材のおやつは不向きです。たくさん食べすぎると消化不良だけでなく腸閉塞になる場合もあります。犬種や体のサイズに合ったおやつを与えるようにしましょう。
トイレの場所が変わった等
場所が変わって、トイレを我慢しているかも。新しいトイレの場所を再度教えてあげましょう。
犬はトイレを覚えるのに時間がかかり、特に排便を覚えるのにはさらに時間を要します。
犬には本来、決まった場所で排泄するという習慣がないためで、しつけによって覚えて行えるようになる行為です。そのため、模様替えや引越しなどでトイレの場所が変わってしまうと「ここで排便する」ということを認識するまでに時間がかかり、他でしてしまうと叱られると学習している犬の場合、排便を我慢してしまい、便秘になってしまうことがあります。
この場合は再度根気よく、トイレの場所を教えてあげ、安心して排便出来るようにしてあげることが必要です。
犬の便秘まとめ
犬の便秘の原因は、水分不足によるものが多い傾向にあり。愛犬の様子をみて、適切な対処をしましょう。
- 床におしりをこすりつける、あまり水を飲まない:水分不足による便秘。水をこまめに摂取させましょう
- 運動をしない、散歩がきらい:運動不足による便秘。適度な運動をさせましょう。
- 腹部が張っている、膨らんでいる:腸炎の可能性あり。病院へ。
- よく誤飲をする。消化に悪いものを食べた:腸閉塞を起こしている可能性あり。すぐに病院へ。