犬の骨折の応急処置と治療について

犬の骨折?原因や種類

骨折の時期で一番可能性が高いのは、骨がまだもろい0歳から1歳です。抱いていて落としてしまうケースがよくあります。飼い主のちょっとした不注意が原因です。

2歳からの骨折の可能性が高いのは交通事故によるものです。ノーリードで散歩しているケースによく起こります。こちらも飼い主の不注意が原因です。飼い主が注意するだけで防げる骨折は多いです。

犬が骨折する原因

  • 高いところからの落下(抱っこから、ソファーから、食卓の椅子から)
  • 交通事故
  • ドッグランなどでの他の犬との衝突やケンカ
  • 病気による骨密度の低下(栄養失調の可能性もあります)
  • 肥満
  • 激しい運動のし過ぎ

犬の骨折の種類

半数以上が前足の骨折になります。特に小型犬は前足とひじの間にある「とう骨」「尺骨」が細く折れやすいです。

  • 圧迫骨折 強い力で押しつぶされた状態です。
  • 亀裂骨折 骨にひびが入った状態です。
  • 開放骨折 骨が皮膚を突き破った状態です。
  • 疲労骨折 弱い力が慢性的に骨にかかって起こります。
  • 剥離骨折 筋肉や靭帯に強く引っ張られて起こります。

犬が骨折したときの症状

犬が骨折したときの症状

骨折は相当な痛みを伴いますので我慢できる犬はほとんどいません。悲鳴をあげて痛がります。

  • 運動しなくなる。と、いうよりも運動できない状態になります。
  • 患部の異常。曲がっているなどの変形が生じます。
  • 歩き方がおかしい。やはり正常な歩き方とは異なります。左右対称な歩き方はできません。
  • 痛がって患部に触らせない。

歩き方がであり患部が熱を持っている場合、骨折ではなく捻挫の可能性もあります。
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犬が骨折したときの応急処置

骨折の応急処置

突然、愛犬が目の前で骨折すると飼い主は動揺します。当然です。飼い主の力では治療は不可能です。必ず動物病院に連れて行ってください。

凶暴になる可能性もあるので噛まれないよう注意してください。

今まで見たことがないくらい凶暴になります。飼い主でも噛みつく危険性があります。攻撃性が飼い主の対応力を上回っている場合は、とにかく安静に、車に乗せて動物病院へ急ぎます。

応急処置として添え木をしてあげるのもいいでしょう。

もし愛犬を落ち着かせることができたら添え木してあげましょう。これを副木と呼びます。

  • 板に綿を巻いて副木します。
  • 患部に一番近い関節に副木します。
  • 強く巻きすぎると血流が止まるので注意が必要です。
  • 安静にして動物病院へ急ぎます。

犬が骨折したときの治療

犬の骨折の治療

動物病院では、レントゲン・血液検査・麻酔・手術 という流れになります。とにかく骨折箇所を固定することが肝心です。

【固定方法】

  • 外固定法 包帯やギプスを使用します。包帯を毎日噛みつく犬もいるので注意してください。
  • 内固定法 ワイヤーなどを埋め込んで骨同士を直接固定します。
  • 創外固定法 特殊ピンをつけて外側から外枠と骨折部分を固定する方法です。

確実に入院になります。7~10日後に退院し、自宅療養になります。完治するまでは足の骨折で2ヶ月。脊髄の骨折で1年が目安です。完治するまでは安静にし、無理にリハビリなどはしない方がよいでしょう。無理に歩かせると再度骨折になる危険性があります。ゆっくり、じっくり完治へ向かいましょう。

治療費は手術だと20万円くらいが目安です。25万円くらいまでかかると思った方がいいです。手術なしだと5万円くらいになります。

犬の骨折のまとめ

骨折は愛犬にとっても飼い主にとっても長く大変な日々が続きます。

なるべく骨折しないよう環境に目を配りましょう。飼い主の意識や注意で愛犬が骨折になる可能性が大幅に変わります。
例えば家の床がフローリングだと少しずつ骨に負担がかかり、いつしか疲労骨折になったりもします。厚手の絨毯を敷く工夫や、マットを敷くことを検討してください。ベッドやソファーに乗らないようにしつけをするのも予防のひとつです。
またはその近くに階段をつけてあげて、そこを通るようにしつけをする。それだけでも数年後の状況は異なってきます。

骨折になり自宅療養中も注意が必要です。動き回り過ぎないようにするのもそうですが、極端に甘やかしておやつを与え過ぎたりするのもやめましょう。清潔に生活できるように気を配ってあげてほしいと思います。

この記事を書いた人

OSUWARI編集部