散歩デビューはいつから?
犬を散歩デビューにも適した時期があります。
リードを付けて、人や他の犬がいる場所を歩かせるのは、ワクチンを接種してからにしましょう。
子犬の時期は免疫力が低いので、感染症にかかってしまう可能性があります。
ただし、抱っこをしたままのお散歩なら問題ありません。
かえって、小さい頃から外の空気や景色、車などを見せて慣れさせておくことで、内弁慶や散歩嫌いになりにくくなります。社会性を身につけるには、子犬の頃から様々な物に慣れさせることが大切です。
子犬を抱っこするときは、必ず片手をお尻の下に入れて体重を支え、もう片方の手を脇の下に差し込み、優しく抱き上げてください。両手を脇の下に入れて持ち上げようとしてしまうと、子犬が痛がり、抱っこが嫌いになってしまうことがあります。
中には抱っこが苦手というわんちゃんもいます。始めのうちは、暴れたり、嫌がっても下ろさないでください。かわいそうと下ろしてしまうと「暴れれば解放される」と学習してしまいます。
下ろすときは、落ち着いて身をまかせているときに、そっと下ろしてあげることです。あとは、嫌になるくらい長く抱っこしないことです。
あとは、触られて好きな場所を見つけて、抱っこされると気持ちいい、飼い主とスキンシップが取れると「抱っこ=安心する」と教えることが大切です。
お散歩に必要なグッズ
犬の散歩に必要なグッズは、最低4つ。
- リード&首輪・胴輪(ハーネス)
- うんち取り
- お水
- おもちゃ・おやつ
リード
リードといってもいろいろな種類があります。一般的な1~2mのリードや巻尺のように長く伸びる延長リードなど。お散歩デビューしたてやしつけが出来ないわんちゃんは、1.6m~2mほどのリードにしましょう。
延長リードを使う場合でも、歩道や人のいるところでは使用してはいけません。
小さな子供や犬が苦手な人にとっては、襲ってくるのではという恐怖を感じる場合があるからです。
公共の場で、リードを外さないのも基本的なマナーです。時々、リードを外して散歩をしていら、その犬が人を襲って大怪我をさせてしまったというニュースを聞きますよね。ノーリードは、他人や他の犬に怪我をさせたりと事故の原因になります。
また、犬が散歩中に急に走り出し、誤ってリードを放してしまうと、迷子や事故になりかねません。
散歩中は、リードを放さないようしっかりもちましょう。
正しいリードの持ち方
1. リードを輪の親指にかけます。
2. リードを手の甲に回して、手に引っ掛けます。
3. 下がっているリードを持ち上げて、親指と手で挟みます。
4. リードを親指にかけて、下へ下ろします。
5. 4本の指でリードをしっかりと握りましょう。
首輪・胴輪(ハーネス)
首輪だと苦しそうで可愛そうに思う飼い主さんもいますが、初めは首輪を選びましょう。
飼い主と犬の主従関係やしつけができていない時期は、首輪を使ってルールをしつけることが大切です。
首輪は、犬の成長に合わせ買い換えること。首輪が大きいと、誤って口にはまるなど危険です。また抜けてしまうので、犬の体格に合ったものを選び、首と首輪の隙間に指が2、3本入る程度に調節してください。
ハーネスより首輪の方が、何をしていい・してはいけないかが伝わりやすいから、かえって勉強になるんだよ!
首輪やリードを嫌がる場合
お散歩を始める前に、首輪やリードに慣れさせましょう。
首輪をつけるのを嫌がる場合は、一人が犬の好むおもちゃやおやつで気を引き、その間にもう一人が首輪をつけます。
首輪をつけたら、犬が気にする前に外してください。首輪を嫌がる神経質な犬の場合は、最初リボンなどの軽いもので練習しましょう。
首輪には2・3日で慣れるので、次はリードに慣れさせます。
リードにじゃれてしまう場合は、ビターアップル(しつけ用の苦いスプレー)で「この紐は噛むと苦い」と教えましょう。リードがどうしても嫌がる場合は、軽い紐で練習するとうまくいきます。
部屋の中でしばらく付けて慣れさせてください。紐が何かに引っかかり事故にならないように、必ず誰かが見ていてくださいね。
ウンチとり
散歩中にウンチをするわんちゃんも少なくありません。そのため、犬の散歩には「ウンチ袋」が必要です。
愛犬のウンチを片付けるのは、飼い主の義務です。道路や公園など散歩中にウンチをした場合、必ず拾って捨てましょう。
うんちの捨て方もいくつかります。
- 市販のウンチ袋で取る
- ウンチをする前に新聞やチラシを敷いて、一緒に捨てる
- トイレットペーパーで取り、ビニール袋に入れて捨てる
住んでいる地域によっては、ウンチをビニール袋で拾ってそのままゴミ捨て場に捨ててもいい場所もあれば、トイレットペーパーにくるんで持ち帰り家のトイレで流す必要がある地域もあります。
必ず、お住まいの地域の犬のウンチの処理方法を確認しましょう。
お水
散歩中に持つ水は、犬の水分補給とおしっこの洗浄に使います。500mlのペットボトル1本で足ります。
長時間の散歩や公園で走る場合、脱水症状にならないように水を飲ませましょう。
また、犬がおしっこをしたらお水で流すのもルールです。
おもちゃ・おやつ
散歩に慣れないうちは、おもちゃで不安をな気持ちを紛らわせます。
好奇心の強い子犬は、おもちゃに釣られて歩き回り「散歩=楽しい」と思うようになります。
人や犬が通っても大人しくできた場合や拾い食いをしないなど、いいことをしたら褒めるためにおやつを用意しておきましょう。おやつをあげすぎると餌を食べなくなってしまうので、小さくちぎって少しずつあげてください。
また、おやつをあげるときは、必ず歩きながら上げることです。でないと、止まるとおやつがもらえると思い、散歩中に急に歩かなくなるなんてことも…
適した散歩の回数と時間は?
散歩の回数は、朝と夕方の2回がベストです。最低、1回は散歩に行くようにしましょう。(悪天候のときは、事故につながる可能性があるので散歩は控えること)
とくに夏に注意してほしいのが、散歩の時間帯です。夏の日中は日差しが強いため、熱中症やアスファルトによる火傷をすることがあります。日が高く上る前か沈んでからに散歩に行くようにしましょう。
散歩の時間量は、犬種によって異なります。チワワやトイプードルなどの小型犬は1回15~20分程度 柴犬やコーギーなどの中型犬は30分程度を目安にしましょう。
体重別 | 犬種の例 | 散歩時間 |
---|---|---|
5kg以下 小型の愛玩犬 |
チワワ、ヨークシャーテリア マルチーズ パピヨン | 1回につき15分程度 |
7kg前後 小型犬 |
ジャックラッセルテリア トイプードル キャバリア ミニチュアダックスフント | 1回につき20分程度 |
10kg前後 中型犬 |
柴犬、ビーグル コーギー シェットランドシープドッグ | 1回につき30分程度 |
20kg以上 大型犬 |
ゴールデンレトリバー ダルメシアン アフガンハウンド ラブラドールレトリバー | 1回につき50分前後 |
30kg以上 超大型犬 |
ドーベルマン、グレートデン マスティフ ボクサー | こんなサイトを見ていないで専門家に任せましょう |
この表はあくまでも目安なので、散歩から帰ってきた愛犬の様子をみて、その子に合った散歩量を調整してあげてください。
散歩のしつけ
事故や迷子、迷惑防止、楽しく散歩をするために、散歩のしつけは欠かせません。小さなころからしつけないと「吠える・噛む」「散歩嫌い」「拾い食い」「飼い主を引っ張る」などの問題犬になってしまいます。そうなっては、散歩に連れて行く飼い主もストレスになってしまいます。しっかり散歩に必要なしつけを身につけさせましょう。
散歩中の犬の問題行動で悩んでいる飼い主さんは、こちらの記事を参照してください。
⇒犬のお散歩時の問題行動しつけ方
マテやおすわりで、大人しく待っていられる犬にしよう
マテやおすわりを単なる芸と思っている飼い主さんもいらっしゃいますが、これらは「犬の興奮を抑える」「集中力を鍛える」「主従関係をはっきりさせる」といった意味があります。散歩中に飼い主の言うことを聞かない犬にしないように、マテやおすわりをしっかり覚えさせることです。
とくに大型犬の場合、「マテ」が出来なければ飼い主が振り回されるだけでなく、周囲の人にも迷惑がかかります。
自制心をつけさせ、吠えない、拾い食いをしない犬にしよう
私たちと一緒に生活するには、自分の欲求を我慢させる自制心を身に着けることが大切です。
子犬のころは、好奇心が強く集中力もないので覚えさせるのが大変です。また、毎日の生活の中で少しずつ養われていくので、時間がかかります。
飼い主さんが注意しなければいけないのが、「犬の要求に応えない」ということ。
おやつが欲しい!遊んで欲しい!と犬はあなたに訴えてきます。このとき、その要求に応えてしまうと、我慢が出来ない犬になるだけでなく、あなたを自分より下位の人間と認識してしまいます。おやつをあげたり、遊んだりするときは、飼い主さんのタイミングで行うことが大切です。
自制心を付けさせることで、散歩中の「吠えたい」「落ちているものを食べたい」「匂いを嗅ぎたい」といった行動を、飼い主さんが抑制できるようになります。
リードウォーク(ツケ)で引っ張らない犬にしよう
リードウォークとは、飼い主さんの横を寄り添ってあるく方法です。「ツケ」という言い方もあります。
リードウォークは、安全に散歩をするために大事なことです。車や人が多いところでは、必ずこのリードウォークで歩くようにしましょう。
ツケの練習
ステップ1
外には、草や砂、人、音など誘惑がたくさんあるので、まずは室内で一緒に歩く練習をしましょう。
左手でリードを持ち、大きな左回りの円を描くように歩きます。これは、飛びつく行為や、前に歩く行為を避けるためです。飼い主の左にいる犬に、歩きながらおやつを与えつつ、鼻先を誘導するように歩いてみましょう。
一緒に歩きながら「いい子」と声をかえ、おやつを与え、正しい位置(ひざの近く)にいることを理解させます。また、歩き出すときは「ツケ」と声を出し、左手で左ももを叩く身振りをしましょう。この合図があったら、飼い主の横を歩きましょう、と教えてあげるのです。
前に行こうとする時、飛びつく時、違う方向に行こうとする時は無視して(声をかけたりおやつを与えない)、左側にいる時のみ優しく声をかけてください。
1回の練習は2分以内にとどめ、集中力があり、成功しているうちに中止してください。
これを1日2回、毎日繰り返すことで、左側にいることでおやつをも貰えると認識させます。
ステップ2
家の中で出来るようになったら、公園など外での練習です。
①飼い主の横に座られ、アイコンタクトをして「ツケ」の合図を出しましょう。
②歩き出してすぐに右手でおやつを一個あげます。
※必ず歩きならあげること。飼い主がかがんで、犬の口元におやつを持っていくこと。
③おやつを与えたら、上体を起こし、ポーチからおやつを取り出し左肩に置いてあるきます。そうすることで、犬は飼い主に注意が行き、歩幅に合わせて歩くようになります。
④その後、犬が何となく飼い主の左側を歩いていられたら、「いい子」といいて、再び歩きながらおやつを与えます。③④を繰り返し行いましょう。
⑤最後は、いい子のタイミングで止まり、オスワリ→アイコンタクト→OKで「ツケ」を終了にします。
犬が引っ張って歩こうとしたら、飼い主は動かない、または回れ右をして違う方向に進みましょう。この時、犬のほうを見てはいけません。飼い主は歩くペースは変えず、犬が飼い主の横について歩くようになるまで、おやつはやらず、声もかけないようにします。
すると犬は「勝手に歩いても先に進めない、横を歩いていたら褒められおやつがもらえる」と学習し、横について歩くようになります。
まとめ
一番大切なのは、飼い主さんと一緒に楽しく散歩をするということ。
そのためには、マテやリードウォークなどしつけることが大切です。言う事聞かない犬を散歩させるのは、事故の原因や周りの人の迷惑になるだけでなく、「吠えたり噛み付いたらどうしよう」「引っ張られるのが恥ずかしい」など、飼い主さんにとっても心の余裕が無くなり、ストレスになってしまいます。
愛犬と楽しく散歩をするためにも、しっかりルールを教えてあげましょう。