犬の叱り方
犬が人や家具を噛んだり、イタズラをしたら必ず叱らなければなりません。悪いことは悪いと教えないと犬も家族のルールがわからず、いつまでたっても問題行動を起こしてしまいます。
しかし、犬には人間の言葉がわかりません。
犬を始めて飼う人に多いのが、犬が言う事を聞いてくれない、叱っても何度も同じことを繰り返すとイライラし、思わず強く叱ってしまうことです。
それは犬が悪いのではなく、叱り方(しつけ方)を知らない飼い主さんに原因があります。
本来、犬と飼い主の正しい関係は、飼い主がリーダーとなり、うまく誘導し何が良くて何がダメなのか教えます。
人間も同じで、良い上司は部下の力を上手に引き出してあげるものですよね。同じに、飼い主さんが愛犬の賢さ、忠実さを引き出してあげてください。
間違った叱り方をすれば、しつけができないだけでなく、信頼関係が築けない、噛まれる、吠えられるといった行為につながります。
間違った叱り方が犬に与える影響
では、間違った叱り方をしてしまうと、具体的に犬へどのような影響があるのでしょうか。
飼い主自身が危険を伴う
犬といえども4,5kgあり、大型犬となれば軽く10kgもこえます。その犬が本気で噛んだり反抗するれば、大怪我になることになります。
問題行動の悪化
間違った叱り方をすることで、犬は自分自身を守るために反抗し、吠える噛むといった行動を煽ることになります。
また、飼い主が叱っているつもりでも、犬はかまってもらっていると勘違いし、もっと自分に注目してほしさに行動が悪化する場合があります。
懐かない、吠える
飼い主さんが恐怖の対象となると、犬は常に警戒し、少しでも近づこうものなら、自分の身を守ろうと吠えたり、噛みついたりします。
もちろん、怖い人と認識しているので懐いてはくれません。
寿命が短くなる
常に警戒し、イライラすることで、犬が抱えるストレスはとてつもないものです。
その過剰なストレスのせいで、病気になりやすかったりと寿命に関わるとも言われています。
間違った叱り方
では、間違った叱り方とは何なのでしょう。
叩く・蹴る・殴るなどの体罰
犬を叱るために叩いたり、蹴ったり、殴ったりと犬に体罰を与えるのは、絶対にやってはいけない叱り方です。
叩かれたことで、犬は何が悪いのか学習しないでけでなく、飼い主に恐怖心を抱くようになり、信頼関係を損ないます。
犬は、乱暴にした人に対して必ず攻撃的になり、飼い主さんに対して噛む、吠えるといった行動を取るようになります。
長々と説教する、高い声で叱る
犬は人間ではありません。長々と説教しても理解できませんし、飼い主が何に対して怒っているのかわかりません。
また、高い声で「も~〇〇ちゃんダメでしょ~!」と叱るのもNG!
犬にとって高い声は、叱っていると認識しません。犬が吠えたり唸ったりするとき、いつもより低い声を出しますよね?それと同じで、普段より高い声で叱っても、犬にとっては怒られているとは思っていません。
犬の名前を呼んで叱る
「〇〇、ダメだよ!」と名前を言って叱るのはNG!罰と一緒に名前を呼んでしまうと「名前=叱られる」と学習し、自分の名前は嫌なことの前兆として、名前に反応しなくなることがあります。
時間が経ってから叱る
時間が経ってかたら叱られても、何に対して叱っているのか結びつけることができません。
もし、お留守番から帰ってきて、イタズラや粗相などの問題行動の跡があっても、声をかけて叱るのは意味がありません。この場合は、さっさと片付けて無視しましょう。
正しい叱り方
では、どのように愛犬を叱ってしつければいいのでしょうか。
低い声で短く一言で叱る
叱るときは、「NO!」「ダメ!」といった短いワードを使いましょう。
このワードは必ず統一してください。家族がバラバラのワードを使っては、犬も混乱してしまいます。
そして、低い声ではっきりいう事が大切です。
天罰方式で叱る
悪さをした時に、大きな物音や嫌なニオイを嗅がせることで、犬が自発的にその行動をしたがらないように仕向けます。
例えば、吠える犬に対して、ビックリするぐらい大きな音を立てます。すると犬は「吠える=あの嫌な音がする」と吠えることをしなくなります。
天罰方式で大切なのは、犬に飼い主さんが音やニオイを出していると悟られないことです。
犬自身からその行動を避けさせるため、飼い主さんが原因だと理解すれば、飼い主のいない時にイタズラをしてしまいます。
天罰方式をしたときは、犬の顔を見たり声をかけたりせず、知らん振りすることです。
主な天罰方式は、
- 缶に硬貨をいれて大きな音を立てる
- 酢の入ったスプレーで嫌なニオイを嗅がせる
- リードを使った首チョン
- 苦い味するしつけ用のスプレー(ビターアップル)
犬よって、効果のあるものないものがあります。例えば、音に敏感な子の場合は、缶を使って大きな音を出す叱り方が効果的ですし、ご飯の好き嫌いの激しい子はビターアップルなどの苦味でしつけるのがいいでしょう。
無視をする
犬にとっての喜びは、飼い主にかまってもらうことです。そのため、飼い主に無視されることが一番こたえます。
どんな場合でも無視をすればいいというわけではありません。無視は、犬が「かまって欲しい」「~して欲しい」といった要求に対して効果のある方法です。
そのため、無駄吠えやイタズラなどの行為に対してあまり効果がありません。
無視をするときは、次の点に気をつけましょう。
- 犬の方向を見ない
- 叱ったり、声をかけない
- 背中を向け、手はポケットなどに入れ動かさない
- 犬がしつこい場合でも、無視をし続けるこんな時はどうすればいいの?
先ほどの「無視をする」でも、吠える犬には効果がないように、その時によって叱り方を使い分けなければいけません。
では、どんな時に、どのように叱ってしつければいいのでしょうか。
無駄吠え⇒天罰方式
飼い主に向かって吠える⇒無視
人を噛む⇒低い声で短く叱る
服や家具を噛む⇒天罰方式
とくにチワワなどの小型犬は、体が小さいぶん、電話やインターホンなどに吠えること多く悩む飼い主さんもいますが、そんな子には大きな音を立てて「吠える=大きな音がする」と認識させれば、吠えることも少なくなりますよ。