結膜炎ってどんな病気
人間にも同じ症状がありますが、結膜という眼球を守ったり、涙や水分をコントロールする部分が炎症を起こす症状です。白目の部分が充血するのが特徴ですが、結膜炎自体の病気ではなく、別の病気の2次的な症状として現れることもあります。
ちなみに上まぶた、下まぶたをめくると白目が出てきますが、上下どちらにも発症の可能性があります。
原因にもよりますが、放置しておくと最悪の場合、失明にもつながりますので、早期の治療が必要です。
片目だけの場合は、ゴミや毛などの異物が混入している可能性が高いです。
結膜炎の症状
白目の充血
白目の部分が充血する症状が見られます。その他にも次のような行動が目立つ場合は、結膜炎の可能性を疑ってみてください。
基本的に結膜炎になった犬は痒みや痛みをなんとかしようともがきます。)
- 目をこすろうとする行為(前足でこすったり、床や壁にこすりつける)
- 目やにが出る(ベトベトの膿のような場合はドライアイの可能性もあります)
- 涙が多くなる
- まぶたが腫れたような状態
- まばたきが異常に多い
結膜炎になる原因
原因は大きく三つに分けられます。
結膜炎の原因その1 異物の混入
シーズーなどの目の周辺の毛が長い、まつ毛などが目に入り傷をつけたり炎症を起こしてしまう。
ゴミやシャンプーが入ったことで、炎症やアレルギーを起こしてしまう。
結膜炎の原因その2 アレルギー
先天性のものもあります。どんなアレルギーを持っているのかを飼い主が把握しておく必要があります。
結膜炎の原因その3 感染症
犬ジステンパー(CDV)はウイルスが鼻やのどから侵入します。犬以外にも猫やライオン、パンダや猿などにも感染例がみられます。
レプトスピラはネズミの糞尿から感染する可能性が高い感染症です。水たまりや湿った土で三ヶ月近く生存し続けることができる細菌です。ネズミ自体には無害です。
※感染症にかかっている犬と触れ合うと別の犬にも感染する可能性が高いです。
犬の結膜炎は人にうつるの?
犬が結膜炎になった原因によります。
- 異物の混入の場合は当然人間にはうつりません
- アレルギーの場合にも人間にはうつりません
- 犬ジステンパーは基本的に人間には感染しないと言われています(はしかに対する免疫が必要だと言われています)
- レプトスピラは人獣共通感染症なので、人間にもうつります。
犬同士だと結膜炎は感染する可能性がありますが、基本的に犬から人間に感染することはほとんどありません。ちなみに人間同士では感染しやすくなります。
心配な方は必ず手をしっかり洗うという習慣をつけましょう。犬の身体に触れてからすぐに目をこすったりしないようにしましょう。
結膜炎の治療法
こちらも犬が結膜炎になった原因によります。点眼薬(目薬)を使用する場合が多いです。
異物混入
目の周辺の毛をカットする、まつ毛のカットといったムダ毛の処理です。点眼薬や眼軟膏などで治療していきます。
★点眼薬にはコツが必要です。犬自体がとても嫌がります。最初は動物病院にお願いしていくべきでしょう。
アレルギー
アレルギー自体を治療するには長い期間の治療時間が必要です。何が原因なのか追究していきましょう。フードの可能性が高いと思います。動物病院ではどんなアレルギーを持った犬なのかを調べてもくれます。フード以外では、花粉やたばこの煙、意外に新しいおもちゃが原因かもしれません。よく調べて愛犬から遠ざけましょう。
犬ジステンパー
結膜炎はあくまでも2次症状です。ウイルスを殺す手段が必要ですが、有効手段がありません。病院の担当医との話し合いのうえでワクチンを処方します。免疫力が強いと回復できますが、子犬や老犬は免疫力が弱く生存率は50%を下回ります。
レプトスピラ
こちらも結膜炎自体は2次症状です。免疫力が強ければ自然治癒もできますが、普通は抗生物質の投与が必要です。
まとめ
おかしいと思ったらすぐに動物病院に行く習慣も飼い主には必要です。目をこする行為が止まらない場合は応急処置でエリザベスカラーをつけて目に触れなくしましょう。
乾性角膜炎(ドライアイ)は角膜が白く濁り、放置しておくと失明します。日々、愛犬と触れ合う時間を設け、異常がないか確かめるようにしていきましょう。