犬の尿毒症|最悪死にいたることも…老犬に多い尿毒症の症状、原因、治療法について

尿毒症(にょうどくしょう)ってどんな病気?

尿毒症とは、血中の老廃物濃度が高まった状態のこと。

尿毒症とは、腎臓の機能が低下することで、おしっこと一緒に排出されるはずの尿素を含む老廃物がうまく排出されず、血中の老廃物濃度が高まった状態のことをいいます。

本来、腎臓内では糸球体と呼ばれる網目状の血管膜が、血圧によって老廃物をろ過します。しかし、腎臓を通る血液の量が減少し、血圧が弱まると、糸球体のろ過能力が低下したり、まったく機能しなくなることがあります。

その結果、尿として排出されるはずの老廃物が徐々に血中に蓄積し、血液の組織を大きく変えてしまうというわけです。
また、老怪物が窒素を含む場合を高窒素血症といい、さらに悪化した状態のことを尿毒症と呼びます。

おしっこが出なくなったその日に…

尿毒素が体内に蓄積していくと、脳神経や全身の臓器に深刻な障害を与えます。
さらに症状が進むと死に至る恐ろしい病気です。

症状の度合いにもよりますが、おしっこが出なくなったその日の夜に亡くなってしまうこともあります。

もしかして病気?尿毒症の症状7つ

元気がない、食欲不振、下痢、嘔吐が主な症状です。

犬が尿毒症にかかると以下のような症状が見られます。

 

  • 食欲がなくなる
  • 運動を嫌がる
  • 疲れやすい
  • 元気がない
  • 四肢がむくむ
  • 貧血(ふらふらして歯茎が蒼白)
  • 震える・痙攣している
  • 嘔吐を繰り返す

尿毒症になると、食欲がなくなったり、ぐったりして元気がなくなるといった症状がみられます。そのほかにも、嘔吐を繰り返したり、下痢、貧血などの症状がみられます。
まれではありますが、老廃物が排出されないことで、口からアンモニアの臭いがすることも。

病状が進行すると、痙攣や意識が飛んだり、昏睡状態などを起こし、死に至ります。

どうしてなるの?尿毒症になる原因

腎不全や尿結石が原因で発症します。

主な原因は、「腎不全」「尿結石」など老廃物のろ過ができない、尿が排出できないことにより起こります。また、血圧が低下してことにより、うまくろ過できず発症することもあります。

腎臓の異常
炎症や腫瘍など腎臓に何らかの異常があり、機能が低下している。
すると、血液から老廃物を排除することができず、尿毒症に陥ってしまう。
急性腎不全、慢性腎不全、急性糸球体腎炎などに伴って発症します。

排尿の異常
何らかの理由により、本来体外に出すべき尿が出せない状態が長く続くと、血中の老廃物濃度が高まってしまうことがあります。
具体的には、膀胱、尿管に尿結石ができてしまい、尿が排出されないことで、老廃物濃度が高まってしまし、尿毒症になってします。

心臓の異常
心不全などで血圧が低下したり、腎臓に回ってくる血液量が減ると、体内老廃物の除去が間に合わず、結果として血中に老廃物が残った状態が生じてしまいます。

尿毒症の治療

まずは、基礎疾患の治療を行います。

別の疾患によって引き起こっている場合は、そちらの治療が優先して施されます。
たとえば、急性腎不全、慢性腎不全、急性糸球体腎炎、尿路結石、膀胱炎などです。

輸血や利尿剤、人工透析で老廃物を排出・除去します。

・輸血
輸血をすることで、血液量を増やし老廃物の濃度を低くし、心臓の機能を正常化することで、徐々に老廃物を除去します

・利尿剤
利尿剤を投与することで、おしっこの回数を増やし、老怪物の排出を促します。

・人工透析
機能不全になった腎臓を補佐するために、人工的に血液を濾しとって老廃物を除去する人工透析を行います。
おなかのなかにカテーテルを取り付ける腹膜透析(ふくまくとうせき)や、体内の血液をいったん外へ引き出し、腎臓の代わりとなる機械(ダイアライザー)の中を循環させる血液透析(けつえきとうせき)といった方法があります。

尿毒症は回復するの?

急性腎不全が原因の場合は、処置が間に合わない場合もありますが、慢性腎不全や膀胱炎、尿結石の場合、治療後徐々に回復する可能性があります。
治療後の食事に気をつけたり、定期的に病院に通う必要があります。

飼い主ができることは?尿毒症になってしまったら

尿毒症になってしまったら、早急に病院へ連れていきましょう。
また、治療後も食事や生活に気をつけなければなりません。

たとえば、腎不全が原因の場合は、腎臓に負担をかけないフードに切り替えます。
膀胱炎が原因の場合は積極的に水分を取らせるなど、基礎疾患にかからないように予防することが重要です。

毎日の健康チェックや定期的に検診にも行きましょう。

尿毒素は、最悪気がついた数時間後に亡くなってしまう可能性のある怖い病気です。
そうならないためにも、日頃の食事や健康には気をつけましょう。

腎不全、尿路結石、膀胱炎になったことのあるわんちゃんは特に気を付けてね!

この記事を書いた人

OSUWARI編集部