犬の腎不全ってどんな病気?
腎臓がうまく機能しなくなり、最悪、尿毒症や昏睡状態になる病気です。
犬の腎不全胃には、「慢性腎不全」と「急性腎不全」があります。
慢性腎不全
腎臓の約70~75パーセントの細胞が正常に働かなくなった時、腎不全が始まったと考えられます。それまではあまり症状が出ないので、ゆっくりと進行していく病気です。
最終的には腎臓の機能が失われて、体から毒素を排出できなくなり、尿毒症が現れ、こん睡や痙攣などの症状も現れます。
急性腎不全
不凍液中毒、レーズンやブドウ中毒、薬の中毒、急性心不全、その他の重篤な病気などの原因により急速に腎臓が破壊される病気です。数時間、数日と短期間で急速に症状が悪化しますので、早期治療が必ず必要です。
もしかして病気?腎不全の症状
初期は尿の色が薄く。多飲、食欲不振などが主な症状です。
慢性腎不全の症状
- 多飲多尿
- 食欲不振
- 体重の減少
- 食欲不振
- 貧血
- 元気がない(1日中動かない)
初期は尿の色が薄くなる程度でその後は多飲多尿、食欲不振、体重の減少、食欲不振、貧血、元気がない(1日中動かない)などですので、症状を見逃してしまい発見が遅れてしまうこともよくあります。
悪化していくと、慢性腎不全の末期と同じで、尿毒症により、こん睡、痙攣なども引き起こします。
急性腎不全の症状
- 突然ぐったりする
- 嘔吐
- 意識レベルの低下
- 背中を丸めて痛がる
- 尿がでなくなる
突然ぐったりして、嘔吐、意識レベルの低下、背中を丸めて痛がる、尿がでなくなるなどが主な症状で、激しい脱水症状が見られることもあります。
この病気は治る?腎不全の治療法
慢性腎不全
検査の結果(血液、尿など)で、進行状態を把握した上で治療が行われます。 一度失われた、腎臓の機能は修復することができないので、対処療法、進行を遅らせる治療が行われます。
- 皮下輸液療法
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お尻の付近など、皮膚の部分に輸液を注射します。人間でいう点滴と同じ効果があります。
- 薬剤投与
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ホルモン薬や血圧を下げる薬、窒素化合物を吸収させる薬など投薬で症状を改善させます。
- 食事療法
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腎臓の機能が衰えているので、犬の体内で窒素廃棄物が作られないよう低たんぱくの食事を指導されます。その際、獣医師から専用のフードを進められることがあります。こちらも治療にはとても有効です。
- サプリメント、ハーブ
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炎症を抑えたり、血の循環を良くするために、サプリメントやハーブを使用する飼い主さんもいます。
急性腎不全
- 輸液療法
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入院した上で管理された体制の中、集中的な輸液療法が行われます。
- 投薬治療
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現れている症状に合わせて、様々な薬剤を使用していきます。透析が行われることもあります。
腎不全の治療費はどれくらい?
慢性腎不全の場合、血液検査、皮下点滴、投薬を含めて、1回の治療で15000円前後が一般的です。急性の場合は入院治療が必要になりますので、5~10万円前後は必要でしょう。また、透析は腹膜透析だけの価格でしたら、3000円前後です。
飼い主ができることは?再発の恐れと予防方法
腎不全は再発の恐れがあります。
残念ながら、再発の危険性は高い病気です。一度壊れた、腎臓の機能は、元には戻すことができないからです。しかし進行は抑えられるので、腎不全と診断されましたら、定期的に専門医に診てもらってください。
定期的な診察や食事で予防していきましょう。
早期発見、早期治療がとても大切ですので、普段から愛犬の尿の出方、水分の取り方、色をよく観察しておいてあげてください。
加齢により腎臓機能も衰えますので、7才を過ぎたら、毎年血液検査をしてあげてください。また急性の場合『誤飲、誤食』の割合が高いので、ブドウ、や不凍液には十分気を付けましょう。
普段の食事も大切です。人間の食べ物には気をつけましょう。(塩分が多い食べ物は特に注意!)