犬が噛む理由とは?
どうして噛み付いてくるのか、犬の気持ちがわからず途方に暮れていませんか?
近づくのも怖い
ご飯もあげられない
子供が怪我しないか心配
どうしてこうなってしまったの?
家具や洋服がボロボロ
と会話ができない犬に、どうし接していいのか、どうしつけたらいいのか分からなくなる飼い主さんも少なくありません。
友達のような関係を想像していたのに、どうしてこうなってしまったの?と飼っていること悔いていませんか?
犬が噛むのには理由があるのです。その原因を解消することで、噛むことも無くお互いが信頼しあう素敵な関係にすることができます。
また、この子の性格なの?と犬のせいにしていませんか?
問題があるのは犬ではなく、犬によい環境を与えられていない飼い主さんに問題があるのです。 愛犬に正しい接し方ができれば、犬もあなたに答えてくれます。今は辛いかもしれませんが頑張って愛犬と向き合ってあげてください。
犬の噛むを直すしつけ方
触ろうとしたら噛む
犬の体に触ろうとしたら噛みつく場合は、犬が飼い主を自分より下位に見ていて、自分に不愉快なことをしないよう威嚇・攻撃をしています。
この場合は、犬と飼い主の主従関係を正す必要があります。
飼い主を下位に見ている場合のしつけ方
あなたや家族を下にみている場合は、ほとんどが飼い主さんの犬の接し方に問題があります。
「おやつが欲しい!」「遊んで!」「ケージから出して!」と、日頃犬の要求に応えていませんか?また、「怖い」「噛まれる!」といった恐怖心も原因になります。
甘やかしたり、怖がったりすることで、自分の方が偉い!と勘違いし、わがままに犬になった犬は、少しでも自分の気に障るようなら吠える噛むといった行動にでるのです。
そのため、まず初めにやることは、噛むことに対するしつけよりも主従関係を正すことです。
こちらの記事を参考に、まずはしっかり関係を作りましょう。
⇒主従関係の作り方
子供が馬鹿にされている場合
子供がいる家庭で多いのが、子供たちが犬に馬鹿にされ吠えられたり噛まれたりするパターンです。
この場合は、甘やかしているのが原因ではなく、家族の会話や態度で自分の方が偉いと判断しています。
たとえば、お子さんがお母さんによく怒られている場合は、お母さんより子供の方が下で、いつも怒られているから自分より下だ!と判断するのです。犬は、家族(群れの仲間)の行動をよくみており、そういった周りの態度が順位に関係しているのです。
また、子供が犬を怖がってしまうことで、下位だと認識させる原因にもなっています。
この場合、次にでご紹介する「一口給餌法」をお子さんにやってもらいましょう。そうすることで、自分より子供の方が上の立場なのだと認識し直してくれます。
食事中に噛み付く犬には『一口給餌法』でしつける
食器を片付けようとした時に噛みつく場合は、あなたに餌を取られまいと吠えているのです。飼い主に対して信頼がなく、下位にみている証拠です。
そんな犬には、「主従関係更生カリキュラム」と一口給餌法(ひとくちきゅうじほう)で直しましょう。 ⇒主従関係更生カリキュラム
一口給餌法とは、飼い主のことを下位だとみている犬に「餌を飼い主さんからもらっている。餌をくれる飼い主さんがボス(リーダー)なんだ」と認識させるしつけ方です。
犬の社会は上下関係がはっきりしたタテ社会です。自分がリーダーではないと理解した犬は、飼い主さんを噛むことはなくなりますよ。
一口給餌法のやり方
STEP1
まず犬にリードをつけ、テーブルの脚などにつなぎます。そして、食器に一口分の餌を入れ、犬の前に出します。
STEP2
勝手に食べようとしたら、食器を引いてください。犬はリードにつながれているので、食べることができません。
この「差し出す」と「引く」を何回か繰り替えすことで、犬は次第に「どうしたら食べられるだろう」と考えます。食べられないことがわかると、犬は食器を出しても食べようとしなくなります。
STEP3
そこで初めて食器を出すと同時に「マテ」と言います。待ったまま2~3秒したら「ヨシ」と言葉をかけ、食器を近づけて餌を食べさせましょう。
この方法で一口ずつ餌を与えられた犬は、上位にいる飼い主さんに食事をもらっているのだ、ということを実感します。
唸って噛む、突然噛む場合
突然噛む犬の場合、頭の位置や体を低くし周りの様子を伺う姿勢をとるなど、常に警戒しているような態勢を取っているときに、噛む行動が見られます。
目線より上に手を出したら噛まれた、すれ違いざまに噛まれたなど、この場合は犬が過去に怖い思いをした経験から、恐怖心を感じて噛んだのでしょう。
突然叩かれたことがある、他の犬に噛まれたことがあるなど、犬は恐怖を感じた記憶を覚えているのです。
また、人の愛情を知らない場合にみられます。
この場合、無理に触ろうとしないてください。あなたに対する恐怖心が増すだけです。
そして、絶対に目を合わせないこと! 犬の顔を見ないで、横からゆーっくり近づいてください。すると犬は警戒はしているものの吠えたり、噛み付こうとはしてこないはずです。そうして、少しずつ犬との距離をつめ、アナタに慣れていってもらいます。
怪我をする可能性や犬にもストレスになるので、決して無理にはしないでくださいね。
おもちゃで遊んでいたら噛み付かれる、甘噛みされる
おもちゃやおやつをあげようとして噛む場合は、遊びの延長で噛んでいます。甘噛みをする理由は、甘えていたり、歯の生え変わりで痒いからです。
遊びで噛んでいるから、歯が痒いからといって、しつけが必要ないわけではありません。遊び噛み・甘噛みを許していると、飼い主は自分より下だと認識し、今まで出来ていた他のしつけもできなくなる可能性があります。そのため、噛み癖はしっかりしつけることが大切です。
甘噛み・噛み癖のしつけ方
噛む直前で「ノー(NO)」と静止しなければなりません。ポイントは、大きく低い声で抑制することです。普段はにこやかに接していても、怒るときには歯を見せず、毅然とした態度で叱りましょう。
噛まなかったときには、高い優しい声で「グッド」や「よし」と、たくさん声を掛けて褒めてあげましょう。
遊び噛みした際に、わざと噛みそうになった手を、「ノー」と叱りながら、喉の奥に入れるのも効果的です。喉の奥に手を入れられると嘔吐感で気持ち悪くなることから、噛むのをやめるようになりますよ。
家具や洋服を噛んでしまう
家具や洋服を噛んでいたら、まず「NO!」と低い声でしかりましょう。時間がたってからでは犬が理解しないので、噛んでいる現場を目撃したら、すぐに「NO!」といいます。これを繰り返すことで、噛むのをいけないことを学習させます。
しかし、ときに叱られるとわかっているので飼い主の目を盗んで噛んでいたなんて場合もあります。
そのため、家を空けることが多い場合や基本部屋に放し飼いにしている場合は、天罰方式でしつけるのをおすすめします。
先ほどのしつけでは「噛む→飼い主がいる→怒られる」となっているので、「噛む=悪いことが起こる」と覚えさせることで噛むこと自体をしたくなくなるのです。
家から帰ってきたら、クッションや洋服がボロボロに!なんて場合は、お留守番にストレスを抱えているサインです。
犬は群れる動物なので、もともとお留守番が得意ではありません。寂しさから飼い主の匂いがついた洋服を噛んでしまったり、ストレスを噛みごたえるある家具で発散しているのです。
かといってお留守番が全くできないわけではありません。上手にお留守番ができないわんちゃんは、こちらを参考にしてください。
⇒お留守番のしつけ方
噛む犬に決してやってはいけないこと。
噛もうとするときに犬を叩いて止めさせること、これは絶対にやってはいけない行為です。
叩くことで犬は飼い主に不信感を持ったり、更に恐怖心を持つようになってしまい、噛みぐせが更にひどくなる場合もありますので、絶対にやめてください。
噛む行為は、飼い主と犬との信頼関係が壊れかけているサインでもあります。これを機会に家庭でのしつけを基礎からもう一度見直し、ひとつひとつの命令に犬がきちんと従うかを確認しましょう。
口輪をつける、ケージから出さないようにするなど、自由を奪うのも逆効果です。アイコンタクトを常に取れるようにして、褒めることがご褒美になるようしつけしなおせば、噛みぐせは必ず直すことが出来ますよ。