気管支炎が原因で咳をする
冬になる傾向が高く、放置していると他の病気の発症原因になることも。
犬も喉や鼻からウイルスが侵入して気管支炎を起こして咳をしてしまうことがあります。
軽い咳の症状なら気管支炎などが原因で、ウイルスがもっとひどくなると心疾患・肺疾患にまで至ります。 特に寒くて乾燥している冬は、人間だけでなく、犬にとっても気管支炎を起こしやすい季節です。
また、気管支炎がひどくなると、気管虚脱を起こす恐れも。気管虚脱とは、「ガーガー」とアヒルの鳴き声のような咳が特徴です。気管(口から肺に空気を送る管)が変形し、気道が狭くなる病気です。
特に小型犬や肥満の犬に多く発症します。
初期であれば、お薬の投与、ダイエット、激しい運動の制限などで症状を抑えることが出来ますが、放っておくと気管が炎症を起こして腫れ、さらに気道が狭くなり呼吸がとても苦しくなることがあります。”
心臓疾患の予兆で咳をしている
小型犬に多い「僧帽弁閉鎖不全症」
心臓病にも様々な病気がありますが、多いのは「僧帽弁閉鎖不全症」という小型犬に多い病気です。
心臓の中で血液が逆流することで、血液を全身に送るポンプとしての働きが十分には出来なくなってしまいます。咳の原因としては、心臓肥大による気管の圧迫や、循環不全による肺水腫(肺に水がたまる状態)などがあげられます。
寄生虫による咳
フィラリアで肺に異常をきたし、咳き込むことも。
また、寄生虫が心臓や肺の血管に寄生するフィラリア症という病気が原因で咳をすることがあります。
フィラリアの幼虫が原因でアレルギー性の肺炎を起こしたり、長期間多数のフィラリアが寄生することで、肺の血管に異常をきたすことが咳になる場合があります。
フィラリアは成虫になると20センチほどの細長いそうめんのような虫に成長し、心臓や血管に寄生して血液の流れを悪くしたり、アレルギー性の肺炎を起こすことがある怖い病気ですが、予防薬を投与することで予防することが可能です。
肺疾患の予兆で咳をする
肺腫瘍によって、呼吸が苦しそう、咳き込むケース
肺腫瘍には原発性、転移性の腫瘍がみられます。
原発性とは突然肺に出来てしまう腫瘍のことをいい、転移性とは他の部位に出来た腫瘍が、肺に転移することが原因です。
転移性の場合はもともとある腫瘍により何らかの症状がみられることがありますが、肺腫瘍ではどちらの場合でも初期にはほとんど症状が出ないことから見逃してしまうことが多く、呼吸状態の悪化や咳がみられたときには、残念ながら末期で手遅れの状態になっていることが多くなっています。
感染症により咳をする
発熱、下痢など風邪のような症状もみられる場合は、感染症の恐れ有り。
犬に咳が続くことが感染症にかかった際の予兆とみられるときがあります。犬ジステンパーウイルス感染症や犬伝染性肝炎、伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)にかかった際、風邪のような症状が出やすいといわれます。
初期に治療すれば心配する必要はありませんが、重症化すると命にかかわる怖い病気です。特に子犬は短時間で重症化ばあいがありますので、気をつけたい病気です。
感染症にかからないようにするためにも、年に1回の予防接種はきちんと受け、予防に努めましょう。
刺激臭による咳
強い臭にむせて咳をすることも。部屋の空気を入れ替えてあげましょう。
犬の嗅覚はとても鋭敏で、刺激臭に敏感です。そのため人間がつける香水やお部屋の芳香剤などの人工的に作られた香りは、犬にとても臭いの強い刺激臭となり、むせたような状態を起こし、咳を誘発している可能性があります。
犬の臭いの成分を嗅ぎとる能力は、人間の約100万倍あるともいわれおり、その臭いを感知する嗅粘膜は、人間の10~50倍あるといわれています。
また嗅細胞の数も、犬は人間の40~50倍あると推測されており、人間が気付かない程度の臭いも、犬にとっては強い香りに感じています。
短頭種にみられる咳の症状
犬種の構造により、咳をすることも。呼吸が苦しそうなら手術が必要かも。
パグやブルドッグなど、顔が丸くて鼻先がつぶれたような犬のことを、短頭種といいます。
これらに該当する犬種は「軟口蓋」(なんこうがい)と呼ばれる喉の奥の上側のひだの部分の形状長すぎて、呼吸する際に気道を塞ぐような状態になってしまいます。
そのため、呼吸が苦しくなり、咳を引き起こします。このような軟口蓋長の症状は、薬による緩和や手術で治療します。
また短頭種犬は鼻の造りが小さいので、鼻の気管も短く呼吸がしづらくなり、むせてしまうことによって咳が出る場合があります。
犬の咳 まとめ
犬の咳は、気管支炎である可能性が高いです。一度病院へいきましょう。
- 咳以外、犬の体調に異常がみられない場合:気管支炎
- 普段から呼吸が苦しそう:肺疾患の恐れ有り
- すぐ息切れする、手足の先が冷たい:心臓疾患の疑いがあります
- 発熱、嘔吐、下痢、元気がないなどの症状もみられる場合:感染症、寄生虫の疑いがあります