老犬の夜鳴きの原因と対策5つ

老犬の夜鳴きに考えられる原因とは?

老犬の夜鳴きは、老化が原因で鳴いていることがほとんどです。

認知症(痴呆)、脳、精神病によるもの
シニア犬の夜泣きの主な原因は、脳や精神疾患だといわれています。特に認知症(痴呆)になると、精神不安や昼夜逆転などの症状が現れるため、夜鳴きをする犬が多くみられます。
獣医師に診断を受けると、病気や症状に合わせて、抗てんかん剤、抗うつ剤、睡眠薬などが処方されます。

身体の痛みによるもの
年齢を重ねたシニア犬は、関節が痛くなり、痛みを訴えるように夜鳴きをする場合があります。日中の運動で痛みが増し、夜間に痛みを感じることも少なくありません。
また寝返り打つ体力がなくて、同じ姿勢で寝ているため、体重が同じ場所に加重され、血流が悪くなって、痛みを訴えている場合もあります。

痛みが出ている部分はさすってあげたり、体勢を変えてあげたりすると良いでしょう。
また、床が痛い場合や、痩せて骨が当たっている場合など、床にクッション材を敷くなど工夫が必要となります。

聴覚、視覚が悪くなったため
シニア犬になると、耳や目の病気のため、得られる情報が少なく不安を感じて、飼い主さんを呼んでいる場合もあります。

特に目が見えない場合、夜になると不安を感じることが多いようです。優しく頭をなでてあげることで、精神的に落ち着くこともあるため、ゆったりとした気持ちでそばにいるようにしてあげましょう

また、同じ部屋で寝るなどの対策も「飼い主さんが近くにいる」という安心感を与え、不安を解消してくれるケースが多いです。

食事や排泄の要求
人間にも言えることですが、シニアになると頑固になり、自己顕示欲が強くなります。そのため、「お腹がすいた!」「おやつ食べたい!」「トイレがしたい!」など日頃飼い主に要求していることを強く主張するようになります。さらに頑固になってきているため、その要求が満たされないと鳴き続けるのです。

寝たきり、生活リズムのずれ、体内時計のズレ
寝たきりの生活を続けていると、生活リズム(体内時計)が乱れ、昼夜逆転する場合もあります。
また、こうした生活リズムの乱れや痴呆により、夜間に食事の要求や排せつがしたいという訴えを起こすことがあります。

ただし、こうしたケアは長く続くと飼い主にとってはかなり精神的ストレスに感じるものです。イライラした気持ちで接すると、愛犬は敏感に感じ取り、不安が増す場合があります。飼い主さん自身もストレスを解消しながら、ゆったりとした気持ちで愛犬のケアに当たる必要があるでしょう。

突然夜鳴きがはじまった!夜鳴きの対策まとめ

愛犬がリラックスできる環境を整えることが重要です。

夜鳴きが続くと、「口輪」をはめるといいのでは?と考える飼い主さんもいるでしょう。
しかし、口輪は口で「ハッハッ」と呼吸をすることで、体温調節を行っている犬にとっては、非常に苦しく感じるため、できるだけ避けたいものです。
しかし、夜鳴きは近所迷惑になる、また、夜鳴きが原因で家族が口論になることもあるようです。こうした周囲の雰囲気を犬は敏感に感じ取ってしまい、ますます不安に感じてしまいます。

愛犬に苦痛や不安を感じさせない夜鳴き対策について、まとめてみました。

日中に軽く疲労させましょう

寝たきりで生活している場合は、昼間はできるだけ、顔を起こして起きている時間を作るようにしましょう。毛布やクッションで身体を支えて、体を起こすようにします。こうした姿勢をとることで、少し疲れ、夜眠れるようになる場合があります。

体が動かせるのであれば、散歩に出かける、室内を歩かせるなど、軽めの運動をさせることで、副交感神経が働きやすくなり、軽い疲労感を感じるようになり、寝つきが良くなる場合があります。

老犬を散歩させるには、散歩の距離や歩き方など注意が必要です。愛犬の身体に負担になる散歩の仕方をしていると、ストレスや関節炎が悪化する可能性があるからです。老犬の散歩の仕方については「老犬だからこそ必要なお散歩!気をつけるポイント8つ」を参照してください。

朝や日中に日光浴を行いましょう

朝や日中に日光浴を行うと、体内時計が整い、昼夜逆転していた生活リズムが正常になりやすいといわれています。
また、部屋の蛍光灯をオレンジなどの暗めのものに変えると、体内時計が狂いにくくなるという説があります。

認知症の促進を遅らせる

老犬の夜泣きは認知症の症状でもあります。そのため、夜泣きの対策だけでなく認知症の対策・予防をすることも大切になります。
犬の認知症については「犬の認知症|対策と進行を遅らせるため飼い主ができる8つのこと」を参照ください。

スキンシップをとって安心させてあげましょう

夜になって、周囲が暗くなると不安を感じるため、頭をなでてあげると泣き止むという犬も多いようです。頭をなでるときには、いっしょにやさしく声をかけてあげると良いでしょう。
また、部屋を真っ暗にしないことで安心する場合もあります。
体や痛くて夜鳴きをしている場合には、マッサージや温湿布などで、関節などをケアしてあげると血行が良くなり、入眠しやすくなるケースが多いでしょう。

薬・睡眠導入剤を使う

あまりにも激しい夜鳴きや、犬も人も眠れない場合もあるでしょう。
このような場合は、獣医師に相談をし、睡眠導入剤を処方してもらう方法もあります。この場合は、副作用なども考えられるため、獣医師としっかり相談して、使用量などについての説明を受ける必要があります。

認知症の促進を遅らせる薬もあるため、認知症が原因の場合はそちらをおすすめします。

老犬の夜鳴き まとめ

うるさいからと叱ってはダメ!ストレスや不安をなくし、リラックスさせること

あまりのうるささに飼い主さんも嫌になってしまうこともあると思います。しかい、飼い主さんがイライラしていると、犬はそれを感じ取りストレスや不安となって、夜鳴きを悪化させることも。愛犬と少しでも向き合って、対策をするだけで夜鳴きは軽減されるはずですよ。

この記事を書いた人

OSUWARI編集部