犬の逆くしゃみの症状
くしゃみは鼻から息を吐き出しますが、こちらはその逆です。鼻から息を急激にかつ連続的に吸い続けるものです。
ブタみたいに鼻を鳴らすことという表現もありますし、何かが気官の詰まって苦しそうな呼吸という表現もあります。
「グフグフ」「フグフグ」のような呼吸音になります。
どちらにせよ発作的な呼吸で、くしゃみを吸収しようとしているかのように見える症状です。
首を前方に伸ばして、目を開き、起立した状態ですることから、「愛犬が苦しそう」「今にも呼吸が止まりそう」と、飼い主は相当心配になります。
長くて15分も続いた例もありますが、基本は数秒から1分間くらいで症状は治まります。頻度は犬によって異なりますが、生涯同じような頻度で発生する傾向があります。
犬の逆くしゃみの原因とは
未だこの逆くしゃみの原因は解明されていません。遺伝子的な原因も考えられます。
仮定として考えられているのは、下記の3つです。
①アレルギーです。しかしアレルゲンが特定されていません。このケースは逆くしゃみが悪化する可能性があります。
②鼻に何か刺激が入ってきた場合。あくまでも仮定ですが、扇風機の風が鼻に入ってきてなるケースもあるそうです。冬の寒気が鼻に入ってなる場合もあります。
➂他にも異物を口にしたから。とかウィルスや細菌説などがあります。
気管虚脱との見分け方
犬の逆くしゃみは、本当に「逆くしゃみ」なのか「別の病気」なのかの判断が非常に難しいとされています。
よく言われるのは、その症状が出た状態の動画を撮影して動物病院の担当医に見てもらうというものです。飼い主の独断は危険かもしれません。
一般的に逆くしゃみではないと判断するときのポイントは、
- 鼻水を垂らす
- よだれを垂らす
- 白目をむく
- 咳を伴う
などといった症状も見られる場合は別な病気かもしれません。すぐに動物病院の担当医に見てもらいましょう。
【気管虚脱】
こちらも逆くしゃみ同様に小型犬に多くみられます。こちらは気管が押しつぶされてしまって呼吸困難になる重い症状です。違いは見極めにくいので担当医に見てもらいましょう。気管虚脱は逆くしゃみのような症状が出た後で、咳が出たり、よだれを垂らしたりします。口の内側の粘膜も青紫になります。これが逆くしゃみとの大きな違いです。
どんな犬種が起こりやすい
小型犬が逆くしゃみになりやすいと言われています。鼻が短い犬種もなりやすいと言われています。
- チワワ
- プードル
- パピヨン
- パグ
などです。
ただ、症状を発生した犬の状況を見てみると、柴犬のようなやや大きな犬も逆くしゃみを起こしているので、あくまでもよく見られるのは小型犬ということでしょう。
ゴールデンレトリバーなどの大型犬ではあまり例を見ません。
逆くしゃみの止め方
愛犬の喉に何か詰まっているのかと背中を摩ってもほとんど効果がありません。ここではよく言われているやり方について触れていきます。応急処置だと考えてください。
- 鼻の前に何か好物を置く。 すると好物の臭いが鼻に入ります。
- 鼻を塞ぐ。 鼻腔を閉じてしまう方法です。興奮している犬に対しては難しいかもしれません。
- 膈愈(かくゆ)というツボを押す。 場所が難しいですが、肋骨と肋骨の間です。一番後ろから数えて第6間がそのツボになります。
時間が経過すると正常に戻る逆くしゃみですが、愛犬の苦しんでいる姿を見ると飼い主としては何かしてあげたくなります。上記の3つをお試しください。効果があるものがあればそれを続けていただければと思います。
ただし症状によっては別の疾患が考えられるので、様子をみて動物病院で検査してもらうこともお勧めします。
血液検査、胸部レントゲン、心電図検査などを異常なく通過できたら間違いなく逆くしゃみでしょう。
どちらにせよ適正な処置をしてあげるのが飼い主の責任です。様子をしっかり見る。そして動画に撮るということも忘れずに行いましょう。