犬に歯磨きは必要なの?
はじめに、犬の歯磨きの重要性について理解しておきましょう。
歯磨きは、口臭の予防になりますが、一番の理由は病気の予防です。歯磨きをしない事で歯石がたまり、歯周病(歯肉炎、口内炎、歯槽骨膜炎など)を引き起こします。
人間の場合、歯垢(食べカス)が歯石になるまで約20日かかりますが、犬の場合3〜5日で変わります。
歯周病とは、歯そのものの病気ではなく歯を支える歯肉や骨といった歯周組織の病気です。進行が進むと歯が抜け落ちてしまう事もあります。
また、歯石は雑菌の塊です。その雑菌を飲み下すことによって、細菌性下痢などの胃腸障害や口腔内の毛細血管に侵入して、心臓病、肝臓病、腎臓病を引き起こす可能性もあります。
この歯石は、歯磨きでは除去できないため、動物病院で全身麻酔をして行わなければなりません。
全身麻酔での治療は2万円前後と高額なだけでなく、高いリスクがあります。そのため、歯石になる前に歯磨きで予防する必要があります。
全身麻酔のリスクとは、薬が体に合わない場合や体調が良くない状態で麻酔を打つと、そのまま目を覚まさないケースがあることです。歯石が溜まってしまっては仕方ありませんが、今から出来ることをして、リスクを負うことが無いようにしましょう。
歯周病は、3歳以上の犬の約8割がともなうと言われています。子犬のうちにしっかり歯磨きの習慣をつけて、歯周病予防をしっかりおこないましょう。
子犬の歯磨きの手順
お口を触ることに慣れさせよう
歯磨きをする前段階として、愛犬に口の中を触らせることに慣れさせましょう。
指に水やウエットフード、歯磨き粉(犬用)を付けて口元に持っていきます。すると、犬は自分から指を舐めるので、その時に歯や歯茎を優しく触ってください。これを数回繰り返し『歯を触る=いいこと』と覚えさせます。
指を口に入れた時、後退しようとする子犬もいますが、その場合は後頭部を撫でながらやることで、後退を防ぎ奥まで指を入れることができます。
一度口を触ることが嫌いになりトラウマになってしまうと、克服するのはとても困難です。焦って無理に指を入れず、ゆっくりと慣れさせることが大切です。
ガーゼを使った歯磨き
口に指を入れるのが慣れたら、ガーゼなどの柔らかい布に挑戦してみましょう。
ガーゼは犬の歯磨き用の物を使いますが、普通の薬局などで売っているガーゼでも構いません。また、3〜4ヶ月のまだ口の小さな時期は、歯ブラシが大きく歯茎を傷つけたり歯ブラシ嫌いになる可能性があるので、ガーゼなどの柔らかい布がおすすめです。
指の時と同じように、指にガーゼを巻いき歯磨き粉(犬用)を付けて少しづつ慣れさせていきます。奥まで入れられるようになったら、側面をこするようにしましょう。
犬の歯垢は、奥歯の側面にたまりやすくなっています。奥歯の歯と歯茎の間を優しく擦るだけで、やらないのとは大きな違いになります。
歯ブラシを使った犬の歯磨き
ガーゼにも慣れたら歯ブラシに挑戦です。
人間の子供用の歯ブラシを使う方もいますが、犬用の歯ブラシを使いましょう。犬用の歯ブラシは、歯茎の弱い犬に対応できるように開発されているだけでなく、飼い主が磨きやすいように作られています。安いもので約500円で購入できるので、ぜひ犬用の物を使ってください。
歯磨き粉は犬用の物を
人の歯磨き粉に含まれるキシリトールは犬にとっては有毒な物なので、歯磨き粉を利用するのは避けましょう。犬用の歯磨き粉には、チキンなどのフレーバー付きの商品もあるので、愛犬の好きな味の歯磨き粉を見つけると、歯磨きに積極的になります。
歯石ができてしまった時の対処法
歯磨きをしていても、100%歯石を予防する事はできません。
歯石が溜まってしまったら、スケーラーという歯石除去器具で歯石を除去します。自宅でできるケア方法ですが、愛犬が暴れる、傷つけないか怖くてできないという飼い主さんが多くいます。
その場合は、動物病院でクリーニングしてもらいましょう。
動物病院にもよりますが、全身麻酔をしてから除去する場合と麻酔なしでクリーニングする場合があります。全身麻酔をする場合は、犬の体に大きな負担とリスクがあるので、獣医師の先生によく説明を聞いてからにしましょう。
その他の歯石予防グッズ
歯磨きだけが、歯石予防方法というわけではありません。
食べるだけで歯石予防になるガムやおもちゃもあるので、歯磨きが難しいワンちゃんや歯磨きの回数が少ないワンちゃんには、こういったグッズを使うのも有効です。
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まとめ
- 歯磨きは病気の予防
- 3日で食べカスが歯石になるので、毎日歯磨きをする
- step1 はじめは指で口を触られることに慣れさせる
- step2 指にガーゼを巻いて、歯と歯茎の間を擦る
- step3 愛犬が好きなフレーバー付きの歯ブラシで優しく磨く
歯磨きは、愛犬の健康に欠かせないケアです。犬の歯石化は早いため、毎日歯磨きをするようにしましょう。