犬の口臭が嘘のように無くなった!? 口が臭い原因と5つの解決策

歯が黄色や茶色になっていたら、歯石が原因の口臭

犬の歯が黄色や茶色になっていたら、口臭の原因は歯石に関連しています。
こういった場合は歯石をとることでワンちゃんの口臭は改善されるでしょう。

逆に、この状態を放置してしまうと口臭はともかく、歯周病や内臓系を病気につながるため注意が必要です。

歯石とは?

歯石とは、歯垢(プラーク)が硬化したものをです。

歯垢とは食べかすのことではなく、口内の菌が食べかすなどを栄養にして作り出した代謝産物です。
愛犬の歯を触ってみてみてください。ネバネバしていませんか?それが歯垢です。

この歯垢は、唾液では壊すことができず、歯ブラシや歯磨きガムなどデンタルケアをすることで取り除くことができます。
しかし、デンタルケアを怠ると、その歯垢が除去できず硬化して歯石になるのです。

硬化してしまった歯石は、歯ブラシでも除去することができません。

歯と歯石の間では唾液も届きませんから菌が繁殖し放題の状態となり、口臭の原因になっているわけです。
さらに、歯垢を放置すると、歯周病や内臓系のもっとひどい病気になってしまいます。

ですから、愛犬の歯が黄色かったり茶色していたらまず歯石の除去をする必要があるのです。

すでに歯石が溜まっている場合の対処法

歯石は一度できてしまうと、歯磨きやデンタルガムでは取れません。
歯磨き後に口臭がする場合は、すでに歯石が付いているのではないでしょうか?

すでに歯石が溜まってしまている場合の対処法がいくつかあります。

スケーラーで除去する

スケーラーという歯石除去に使用する器具で歯石を剥がしていく方法です。

スケーラーでの歯石の除去は、普段から歯ブラシなどに慣れている子なら自宅でも出来ます。

しかし、口を触られるのが嫌いなワンちゃんや、じっとしていられないワンちゃんの場合は、動物病院やトリミングサロンでやってもらうのをおすすめします

素人が歯石を無理に除去しようとして、愛犬にトラウマや怪我をさせてしまう可能性があるからです。

犬用スケーラー

全身麻酔をして除去する

動物病院で全身麻酔をしてもらい、歯石を除去する方法です。
歯石が厚く付着して取れない場合や、歯周病の進行がひどい場合は、こちらをおすすめします。
スケーラーと比較すると、犬が寝ている間に行うので、歯周ポケット(掃除しずらい歯の隙間)など隅々までキレイにしてもらえます。

だたし、全身麻酔は体に大きな負担をかけるため、予約する前に全身麻酔のリスクについて聞いておきましょう。

特に老犬の場合は体力がないため、獣医師さんと相談し慎重に決めてください。

歯石除去後のデンタルケアを怠らないこと

歯石を除去したからと、安心しているとすぐに口臭が戻ってくることもあります。
除去後も、毎日のデンタルケアは怠らないでください

歯磨きをする

犬のデンタルケアで一番は、毎日歯磨きをしてあげることです。
歯磨きは飼い主とのコミュニケーションの時間にもなりますし、飼い主が直接、愛犬の歯をチェックするので異変に気がつきやすいというメリットもあります。

歯磨きガムや歯石予防の薬

歯磨きがどうしても苦手というワンちゃんには、歯磨きガム歯石予防の薬を使用してデンタルケアをしましょう。

ただ、歯ブラシを使っての歯磨きに比べると歯周ポケットのヨゴレが取れないため、歯ブラシを使っての歯磨きも併用することになります。

歯磨きガムをかじる犬

消毒用ph調整液を歯に湿布する

市販の歯磨き成分に必ず入っている消毒用のph調整液
この液体を犬の歯と歯茎の境目に直接湿布することで、歯石予防になります。

ちなみに「ph」とはペーハーのことで酸性・アルカリ性を示す数値の単位です。
犬の口内をアルカリ性にすることで酸による侵食、つまり虫歯を予防するわけです。

ただし、市販では消毒用ph調整液が売っていないので、一度動物病院で相談してみましょう。
病院にもよりますが、販売してくれるところもあります。

歯が黄色や茶色になっている場合は、歯石をとってあげることで口臭は改善するよ。

歯が黄・茶になっていない場合は胃腸が原因の口臭の可能性

犬の歯をチェックして、茶色になっていなかったり、歯茎が腫れていない場合は、胃・腸内が原因の口臭の可能性があります。あくびをした時がとくに気になりませんか? それは腸内からのニオイかもしれません。

腸内には何億個の細菌が存在し、中でも『悪玉菌』と呼ばれる菌は悪臭の原因になります。

口臭はともかく病気の可能性もあるので、場合によっては動物病院に連れて行ってあげてください。

食事を改善する

ニオイの強いものや脂質、たんぱく質を多く摂取していると口臭が強くなる傾向にあります。

腸内には100兆個もの細菌が存在し、その中でも悪玉菌という菌が腸内環境を悪化させるのですが、動物性脂質の過剰摂取やストレスによりこの悪玉菌が増殖します。

増えた悪玉菌が、脂質やたんぱく質、アミノ酸を分解することで、ニオイのもととなるアンモニア硫化水素などの有害物質を生成します。それが血液中に吸収され、呼気となってあの腐敗臭のようなニオイを発するのです。

そのため、まずは悪玉菌を減らすことが重要になります。

ヨーグルトで腸内調整はダメ?

腸内環境を整えるということで、一番簡単に試せるのがヨーグルトを与える方法です。
ヨーグルトを食べることで乳酸菌が腸内の悪玉菌を減少させ、腸内環境を整えてくれます。

ただし、与えるなら必ず犬用のヨーグルトにしてください。

人間用のヨーグルトは乳糖カルシウムが多いので、犬にとってはあまりよくありません。
乳糖はお腹を壊しますし、カルシウムのとりすぎはシュウ酸カルシウム結石につながるからです。

犬用のヨーグルトをスプーン1杯、一日2回を目安に与えることで腸内環境を整えることができます。

ただし、犬用のヨーグルトでもお腹をゆるくしてしまうワンちゃんもいるので注意してください。

ヨーグルトが合わないというワンちゃんには、乳酸菌が入ったサプリメントがあるのでそちらを試して見ましょう。

フードの見直し

ドッグフードも安い質の悪いフード古いフードを与えると、悪玉菌の増加や毒素の生成につながるので、フードの見直しも重要です。

良質なフードの選び方や酸化を防ぐ方法は、下記の記事を参考にしてください。
記事のタイトルは「子犬のドッグフードの選び方」としていますが、選び方としては全年齢共通なのでお役に立つと思います。

子犬のドッグフードの選び方と正しい保存方法⇒

サプリメントをのむ

ヨーグルトのところでも少し触れましたが、腸内環境が原因の犬の口臭にはサプリメントも有効です。

生きた乳酸菌や腸内環境を活発にし改善してくれるサプリメントは、悪玉菌を減らし口臭を軽減してくれます。
腸内環境を整えることで、口臭だけでなく毛並み毛艶も改善されます。

また、わんちゃんがおやつ感覚で食べてくれるのも嬉しいポイントです。

マウスクリーナーを飲んでキレイにする

マウスクリーナー ペットキス」という飲み水に入れて飲んでもらうことで口臭対策になる商品もあります。天然素材のみで作られた溶液なので、わんちゃんにも安心して飲ませてあげられます。

原液では歯磨きの時にも使えるので、これ一つあればいいかもしれません。

整腸剤を処方してもらう

整腸剤とは、腸の機能を活発にして、消化を促進させる薬です。本来、食べ過ぎやウンチがゆるいときに与えるものですが、腸内環境の改善をするため、腸内が原因の犬の口臭対策に適しています。

人間の整腸剤でも大丈夫ですが、効果が強すぎたり、与えすぎてしまう可能性があるので、必ずペット用の調整剤を与えましょう。

整腸剤について詳しくは「下痢の老犬必見!犬の整腸剤について」を参照してください。

ヨーグルトなどで腸内環境を整えると口臭が改善することがあるんだよ。

病気による口臭

RescueWarrior / Pixabay

歯茎が晴れたり血がでていたら、歯肉炎による口臭の可能性。

歯石が蓄積され歯茎を押し上げるまでになると、歯と歯茎の境目の歯周ポケットにも雑菌が繁殖し隙間が広がり、歯の根元にまで歯石が付いてしまいます。そうなると歯根部分が炎症を起こすようになり、歯肉炎となります。

犬が歯肉炎を起こすと口臭は歯石だけでなく、歯茎からも臭うのでかなりきつい口臭になります。また自宅での手当ては無理になるので、動物病院での治療が必要です。

犬の歯肉炎がひどくなると、口臭がひどくなるだけでなく、食べ物を噛めなくなったり歯茎の痛みからおもちゃで遊べなくなります。さらに悪化すれば歯の脱落がおこります。

ひどい歯肉炎になってしまうと、炎症部分の歯は抜歯しないと治療が難しいことから、全身麻酔による施術となってしまい、犬にも大きな負担となりますので、犬も歯磨きの習慣をつけて歯石を溜めないようにしましょう

ご飯を食べるとき痛がっていませんか?虫歯の可能性もあります。

犬も人間同様に虫歯になります。
虫歯になることで、口臭の原因である菌が繁殖しやすい環境になるのです。

また、虫歯は放置すると口臭だけでなく、歯が抜けたり、痛みによる食欲減退、最悪頭蓋骨が溶けてしまうこともあります。

愛犬に虫歯の兆候があったら、すぐに病院で治療してもらいましょう。
犬の虫歯については「犬も虫歯(齲蝕)になる!?見分け方、治療費、飼い主ができることとは」を参考にしてください。

その他の病気が原因のことも

犬の内臓疾患によって口臭がひどくなるばあいがあります。

胃などの消化器系の調子が悪いと口臭がするようになります。胃酸過多や胃腸炎などを起こしている場合などが考えられ、食べない、食べるのが遅い、食事の時間が過ぎても催促しないなど、食欲旺盛といわれる犬が食欲をなくしている時、何が原因か様子をみてあげてください。

また、飼い主が気付いていない場所で嘔吐した後にも、口臭がする場合があります。

さらに、呼吸器系の調子が悪い場合にも口臭がする場合があります。

鼻炎副鼻腔炎を起こしているときには、普段よりきつい臭いがする場合があります。鼻汁やくしゃみもある場合は注意して様子をみてあげましょう。

口臭がする場合は、一度は病院に連れて行って口臭の原因を特定しておいたほうが僕たちのためになるよ。

臭いの強いドッグフードを与えている

bykst / Pixabay

強い臭いのするフードは、犬の口臭の原因に!

ドッグフードなど食べ物が原因で犬の口臭がする場合があります。特にドライフードの場合です。

ドライフードはその名のとおり乾燥しているので、食べる前はそれほど臭いがしないのですが、犬が食べて胃液と混じることで強い臭いが発生して口臭となります。
とくに安価なドッグフードでは動物性油脂を多く添加し、穀類等に臭いをつけて食いつきをよくしていることが多く、その動物性油脂が酸化して臭いの原因となるわけです。

大便も臭うようであれば、ドッグフードからの臭いと考えてよいでしょう。

酸化しやすい動物性油脂を使ったフードは避けましょう。

小麦よりも肉類などのたんぱく質の割合が多いフードや、動物性油脂ではなく植物性油を使ったドッグフードであれば、酸化しやすい脂の添加がないので、ドッグフードが原因による口臭は少なくなります。

ドッグフードのパッケージの原材料欄は、含まれる素材の割合が高いものから書かれていますので、一番初めに肉類の表示があり、動物性油脂と書かれていないものを選びましょう

夏場はドライフードでも酸化しやすいから、少量ずつ買うか、個包装がついたものに変更したほうがいいよ。

食糞(しょくふん)をしている

その口臭は食糞が原因、つまりウンチを食べている

愛犬がトイレの後にこそこそしている場合や、お留守番中にウンチをしていない場合は、もしかしたらこっそり自分のウンチを食べているかもしれません。いわゆる食糞です。

犬が食糞をすると、歯にウンチが付着してキツい口臭がします。

食糞の原因は?

犬が自分のウンチを食べるのは、本能的なものも含めてさまざまな原因があります。ここでは代表的な食糞の原因をご紹介します。

子犬の場合

  • 子犬は興味本位遊びの一環で自分のフンを食べることがあります。

母犬の場合

  • 子育中の母犬は、子犬のフンを食べることがあります。
    これは犬の本能によるもので、巣を衛生的にするため、捕食者から身を隠すためにフンを食べる習性があります

老犬の場合

  • 老犬の場合は痴呆のためにフンを食べることがあります。

成犬の場合

  • トイレを失敗して怒られるので隠すため
  • ストレスがたまっている
  • 飼い主の気が引けるから
  • 食事にあきた
  • お腹が空いている
  • ビタミン不足
  • 消化酵素が不足
  • 腸内バランスが悪い
  • etc

紹介した以外にも様々な原因で食糞する犬がいるようです。

食糞は対策しないと直らない

母犬が子犬の尿や便を食して始末する以外の食糞は、健康被害につながることから、食糞をしないように対策したり、しつけで教えましょう

また大便を食べた直後は口腔内も不衛生ですので、室内や周囲を汚していないか注意が必要です。

犬の食糞に対する対策やしつけに関して詳しくは「自分のうんちを食べている!?癖が付くとなかなか止めない犬の「食糞」の対処法」の記事をご覧ください。

食糞用のサプリの使用も検討

食糞の原因の「成犬の場合」で紹介した内容をみてもらうと分かるのですが、腸のバランスがおかしくなることで犬の食糞が起こる可能性が高いようです。そこでしつけでなかなか食糞が治らない場合は、食糞用サプリメントの試してみましょう

犬の食糞用サプリメントは、腸内のバランスを向上させることで、愛犬がウンチを食べたくなる気持ちを抑えてくれます。困ったときは試してみてください。

犬の口臭まとめ

犬の口臭の原因でもっとも多いのは「歯石」による口臭です。すでに付いてしまった歯石は病院で除去しましょう。

歯石による口臭の場合は、歯磨きをしたぐらいでは歯石は除去できません。そのため、動物病院で歯石をとってもらうことが必要です。腸内環境の悪化が原因の場合は、すぐには改善されないので、毎日続けることが大切になります。

どうしても、臭いの原因が判断できない場合は、動物病院で診断してもらいましょう。

犬の口臭の5つの原因

  • 歯石が付いている:歯石による口臭。病院で除去しましょう
  • 歯石が付いていない:腸内環境の悪化による口臭。腸内環境を整え、食事の見直し!
  • 歯茎が炎症、出血している:歯周病による口臭。病院へいきましょう。
  • 古くなったフードや安いフードをあげている:腸内環境の悪化による口臭。フードを見直しましょう。
  • ウンチを食べることがある:食糞による口臭。食糞をしない工夫をしましょう。

この記事を書いた人

OSUWARI編集部